千代田化工建設株式会社様
ローコードの効率性と柔軟性で、システム基盤要件に制約されない開発が可能に。社内での技術者育成も実現し、スモールスタートから10倍以上のスケールアップ
写真提供:カタールエナジー社

千代田化工建設株式会社様
エネルギー関係の建設工事—EPC(エンジニアリング、プロキュアメント=調達、コンストラクション)事業を展開する、大手総合エンジニアリング会社です。1948年に設立され、従業員数3,000人以上。中東や東南アジア、北米などで、LNG液化天然ガスを作る基地を建設し、国内では医薬などバイオ系の生産設備の建設にも範囲を拡大中です。
Webサイト:https://www.chiyodacorp.com/jp/
本事例についてはビジネス+ITにもインタビュー記事として掲載されています。こちらも併せてご参照ください。
千代田化工建設の“脱オンプレミス”に迫る、実は「ローコード活用」がカギだった? |ビジネス+IT:https://www.sbbit.jp/article/sp/119863

今まではシステム開発基盤のアップデートに伴うトラブルを回避しようと、極力「塩漬け」的な考え方で進めていました。aPaaSであるOutSystemsの導入後は、常に最新の機能が提供され、簡単なアプリケーションならば、新入社員が1週間程度で構築できたので、正直びっくりしました。最近も、OutSystems未経験者のSEがシステム開発業務にスムーズに参画でき、技術の移転コストがなく、大変重宝しています。IT開発業務改革の大きな幹として捉えています。
江藤 祐司様
千代田化工建設株式会社 グローバル本社 人事・DX本部 ITマネジメント部 部長- スピードと高品質を実現する高い開発生産性
- 開発効率の向上により、業務ユーザーからのシステム構築の依頼に多く応えることが可能に
- EOS/EOLが起点となるシステム更改からの解放
- IT人材不足に対応するローコードの教育のしやすさと、充実したサポート体制
製品サイクルの不安が解消しただけでなく、内製化に挑戦する意識も醸成
スモールスタートから、徐々に、基幹システムの周辺機能・サービスの開発へと、活用範囲を広げています。実際に動くモノを早い段階から見せることでユーザとの認識のズレが起きにくくなる効果があり、内製化に取り組むエンジニアのモチベーションアップにつながっています。
課題
いつ終了するかわからない、開発基盤のEOS/EOLがネックに
開発期間の工数短縮、効率化、およびコスト削減は重要な要素ですが、同社の主要な課題は、開発基盤が定期的にEOS(サポート終了)およびEOL(製品のライフサイクル終了)を迎えることでした。これにより、システムを開発しても定期的な再構築が必要となり、無駄な作業が生じていました。また、ハードウェアやミドルウェアの脆弱性が見つかっても、サポートが終了しているためにトラブルが発生するケースも増えていました。このため、余計な不安や手間を削減し、ビジネスロジックに焦点を絞ることがますます重要視されていました。
パッケージとスクラッチの併用では、自社ニーズに合わず、人材育成も課題に
同社は、JV(企業共同体)にも参画し、超大型案件も手掛けるグローバル企業です。自社の業務環境や業務プロセスに、柔軟に対応できる環境が求められていました。しかし、自社の業務ニーズに適合するパッケージ製品は限られており、その半分をスクラッチから開発しなければならない状況でした。システムの外販にも取り組んでおり、ITリソースは常に不足しています。このような背景から、フルスタックエンジニアに依存せず、広範な経験とスキルを持つエンジニアが参加できる柔軟なローコード開発環境が必要とされました。
OutSystemsを選んだ理由
- プロ向けのローコードツールを探していた過程でOutSystemsを知り、自社の業務ニーズを満たす業務システムが開発できると期待。アムステルダムで開催の「NextStep」を訪れ、ヨーロッパの事例に直接触れて確信へ。
- 保守費等の表面的にみえるコストでみると、オンプレミスの方が維持費は安価である。しかし、EOS/EOLによるシステム更新や保守窓口、契約管理の一元化までを考えると、クラウドでOutSystemsを使う方が費用対効果が高いと判断した。
- IT人材不足は業界全体で深刻な課題だが、プログラミング経験があればOutSystemsをすぐ使えるようになる。国内で十分な技術サポートやトレーニングを提供している、BlueMemeの体制も決め手に。
成果
基幹システムにつながるシステムも開発できる高い柔軟性
OutSystemsは、画面UIからデータモデルやデータ構造まで一貫して設計・実装でき、エンタープライズシステムの構築に理想的な選択肢であり、EOS/EOLへの対応の懸念も解消しました。要件定義の段階から実際のアプリケーションを使うユーザーに直接触れてもらえるため、認識のずれが最小限に抑えられる利点もあります。
BlueMemeは、少人数で構成された専任のローコード開発チームを提供し、同社と連携してプロジェクトを進めました。いくつかのシステム開発プロジェクトにおいて、上流工程から開発・テスト工程まで一貫して提供しました。迅速な開発と柔軟なカスタマイズ性から、OutSystemsを活用したプロジェクトは徐々に増加し、その結果、同社でのノウハウ共有の環境が構築を実現しました。当初は小規模なスタートでしたが、これらの取り組みにより、ライセンスの規模は10倍以上に拡大しました。
現在、OutSystemsは主に中~大規模のシステム開発プロジェクトに活用されており、プロジェクト数は約30に達しています。これらのプロジェクトは基幹システムの周辺機能・サービス、プロジェクト管理、営業の案件管理、ITコストマネージメントなど、、幅広い業務ニーズに対応したシステム開発に利用されています。
現場のエンジニアたちが実感する、ローコードの開発効率や教育のしやすさ
BlueMemeは充実したサポート体制を提供しており、同社のOutSystemsプロジェクトを随時サポートしています。OutSystemsの高い生産性は同社の開発者たちから高く評価されており、その結果、社内のシステム構築依頼を断ることが少なくなり、とにかく実際に作ってみようという意識が高まったことで、プロジェクトの数も増加しています。
さらに、個別のシステムをOutSystemsプラットフォームに統合することで、サービスの保守窓口を効率的にOutSystemsに絞ることができ、契約管理の一本化を実現しました。目に見えるコストだけでなく、手間や負担といった面も最小限に抑えることができています。
さらに、AIベースの開発・品質分析ツールであるOutSystems AI Mentor Systemの導入により、UIなどが自然に標準化され、作業の効率化が実現されています。
今後の展望
同社はビジュアライズな開発が可能なOutSystemsを活用することで、コロナ禍においても、技術経験の浅いエンジニアのスムーズな育成を実現しています。
BlueMemeは現在、同社の30以上のOutSystemsプロジェクトにおいて、製品サポートおよびアプリケーション全体のライフサイクルにわたる運用サポートを継続的にご提供しています。同社の事業の拡大に伴い、自ずと業務内容も拡大していることから、OutSystemsのアプリケーション開発基盤としての位置づけもさらに拡大することが見込まれています。