世界的にみてもスクラッチ開発の比率が高い日本では、スマートデバイスの急速な普及と共に、ソフトウェア技術者の不足による品質低下や、要求の高度化と納期の短期化、グローバル化するビジネスへの対応、頻発するセキュリティの問題等、業務システム開発がこれまで潜在的に抱えていた多くの問題が次々に顕在化しつつあります。
私は世界中のソフトウェアの中で最も優れたモデル駆動型開発基盤であるOutSystemsを活用することで、これまで実現が難しかった大規模なアジャイル開発を誰でも実現できるような環境を構築し、日本のIT産業構造をよりよく変革するとともに、日本企業に世界的な競争力を与えていきたいと考えています。
(まつおか まさのり) 大学卒業後、ソフトウェア開発会社でキャリアをスタート。以降はネット証券会社での独自システム開発や、ドイツの大手ソフトウェア会社での基幹業務システム導入におけるコンサルティング、ベンチャー企業での技術開発を経験し、起業に向けて着々と経験を積み重ねる。 2009年にBlueMemeを創業。業務システムのコンサルティング事業開始後、学生時代より20年近く取り組んできたモデル駆動型開発技術による業務システム開発の実現に積極的に取り込んできた。 2013年より、OutSystems社と日本国内における総販売代理店契約を締結し、スクラッチ開発の数倍以上の開発生産性を実現する同社の次世代業務システム開発基盤である「OutSystems」の国内販売を開始。国内の先進的な取り組みを進める大手及び中小企業を中心に、業務システムが抱える技術者不足や高コスト体制、グローバル化への対応等のシステムインテグレーションが抱える構造的な課題の解決を行っている。
2009年
「業務システム開発を効率化して企業の競争力を高めたい」という思いを込めてBlueMemeという会社を創業しました。当時、ソフトウェアの自動生成技術がキーになることは漠然と感じていたものの、日本国内で使用されていた多くRADツールやモデル変換ツールでは、現在の企業が求めるシステムを構築するには貧弱であり、特効薬にはなりえないという考えをもっていました。
2010年
比較的大きなシステム構築プロジェクトと並行して、自動生成技術を活用した独自の自社製品の開発に着手し、モデル駆動アーキテクチャを中心にプロトタイピングを始めました。ビジネスプロセスエディタ、グラフ指向データベース、ドキュメント自動変換、UIフレークワーク等、様々な要素技術の開発を進め、様々なプロジェクトに活用することで、それらの有効性を実証してきました。
2012年
私たちBlueMemeと同じ考えや技術を持った会社を世界中から探し、その会社の実績のある製品を日本に持ってくることで、ビジネスを加速させることを決めました。そして、ぶれないコンセプトをもち、高い技術力と安定した製品があり、グローバルにおいて10年以上の実績がある会社 OutSystems と出会いました。
2013年
BlueMemeは世界で初めての日本市場へのOutSystemsの導入を成功させ、OutSystemsと日本国内総代理店契約を締結しました。その後、日本語サポート、ローカライゼーション、テクニカルトレーニング等を日本国内での展開を進めました。
2017年
2017年、 大企業を中心にOutSystmsの日本国内の導入実績が50社を超え、OutSystemsを活用したアジャイル開発の受託開発及びコンサルティングを行うプロフェッショナルサービスのビジネスが大きく拡大しました。さらに同年、米Auth0社とIAMソリューション「Auth0」の販売に関する代理店契約を締結後、米国のNoSQLデータベース「MarkLogic」の取り扱いを開始、オーストリアのTricentisのテストツール「TOSCA」、米国のアジャイルチーム管理ツール「AgilityHealth」とのパートナー契約を相次いで締結し、自社開発製品を組み合わせながら、OutSystemsでは対応できない領域のソリューションを提供できるようになりました。
BlueMemeは、OutSystemsの国内総販売代理店として製品の販売だけでなく、様々なアクティビティにも取り組んでいます。
BlueMeme と OutSystems は、2012年のAgile Platform Version 7 リリース以降、日本市場における製品の販売を通して、共同研究開発を続けています。
BlueMemeは、日本語の基本的な処理部分からローカライゼーション機能の技術的な検証、日本固有のシステム環境における要件分析や日本語によるトレーニングコンテンツの開発、日本市場に合わせたライセンスモデルの開発等、日本顧客のニーズに対応した製品及びサービスの開発をOutSystems と共同で行っています。
OutSystems Platform Version 8 以降は、これらの共同研究の成果が反映されており、日本顧客が求める様々なニーズに対応した製品やサービスを、今後さらにリリースしていく予定です。
業務アプリケーションの開発を行う上で最も大切なことは、美しいアーキテクチャやソースコードではなく、「正しく動作するアプリケーションを作ること」です。
このためには、対象となる業務を正確に漏れなく分析する必要がありますが、分析者の視点により、さまざまな差異が多く発生します。
BlueMemeでは、システム開発に依存せず、モデル駆動型開発に最も適した分析手法であるビジネスルールアプローチを採用した業務分析の方法論を採用しています。
ビジネスルールアプローチでは、業務内容をプロセス、ファクトモデル、ビジネスルールに区分し、それぞれを共通の語彙で結びつけることで、業務のモデル化による定量化を実現しています。
OutSystemsから受けられるサポートは基本的に英語のみとなります。そのため、BlueMemeは国内のお客様のニーズに迅速に対応できるよう、独自のサポート体制を確立しています。
サポートデスクのほか、オンサイトでのサポートも行っております。オンサイトのトレーニング詳細に関しましては、別途お問い合わせください。
OutSystems は、ビデオによるオンライントレーニングを基本としています。しかし、日本の技術者に広く対応するためには、クラスルームトレーニングや、書籍を用いたトレーニング、実際の開発を伴う実地トレーニング等を用意する必要があります。
BlueMemeでは、3時間の無料トレーニングからVisual Basicの技術者向けのカスタムトレーニング、プロジェクトベースのなぞり開発トレーニング等、お客様の要望に応じて様々なトレーニングメニューを提供しています。
また初心者向けの入門用として、700ページ以上の説明書「RE:TOOL」を作成し、さまざまなトレーニングコースの開発を行っています。
業務Webアプリケーション開発を実現する統合基盤として、OutSystemsが平成26年度の本プロジェクトに採用され、短期間の学習で高品質なアプリケーションが開発を実現できることを実証しました。
平成27年度の本事業でも採用され、さらなる教育事業の展開を支援しています。
本事業の詳細に関しては、こちらをご覧ください。
100人を超える関係者が存在するプロジェクトでアジャイル開発を行う場合は、大規模開発に対応したエンタープライズアジャイルという考え方が必要になります。
しかし、既存の方法論では、OutSystems のような自動化ツールやモデル駆動型開発の特徴が考慮されていません。
BlueMeme は、開発の自動化ツールやモデル駆動型開発に特化したエンタープライズアジャイルの導入法論を開発しており、現在、大型プロジェクトにおける適用を実施しています。
また、この方法論を実施するためのマネジメントツールの開発を行っており、プロジェクトベースでの導入を進めていく予定です。